山陰と山陽を結ぶ、国道53号
岡山市と県北の中心都・津山市を結び、鳥取市に至る国道53号の岡山一津山間は古来の津山往来、
津山一鳥取間は因幡道を原形にしています。
津山は出雲と中央を結ぶ出雲街道の宿場町で、美作藩の城下町。当時も美作エリア随一の商業都市として栄えた要所でした。
そこで、出雲街道沿いの津山と山陽道沿いの岡山を結ぶ
津山往来は賑わっていただろうと思われがちですが、意外に当時は重要視されていなかったようです。
美作藩と岡山藩は対峙していて、行政上でも交通上でもそれほど行き来はありませんでした。
ただ金川と福渡の2つの町には、岡山藩家老が配され陣屋が置かれました。
岡山藩における津山往来の位置付けは、岡山城下とこの2つの陣屋町の往復に限り重要だったと推測されます。
明治以降、行政組織が変わってから道路改修が盛んに行われ、現在のような主要道として大きな存在になりました。
一方、因幡道は、美作と因幡を結ぶだけで中央との関わりは少なかったのですが、街道周辺の町にとっては
欠くことができない大切な道でした。 |